マレット指(槌指変形)とは
指の一番先にあるDIP関節が曲がったまま伸ばせなくなった状態です。伸筋腱断裂が原因の腱性マレット指と、末節骨の関節内骨折が生じて起こる骨性マレット指があり、それぞれ治療法も異なります。
腱性マレット指
伸筋腱断裂によるものです。放置するとPIP関節が過伸展してしまう“スワンネック変形“を来します。
骨性マレット指
末節骨の関節内骨折が生じているもので、放置すると関節の脱臼を来します。
マレット指の症状
腱性マレット指
指の一番先にあるDIP関節が曲がったままになり、自力で伸ばすことができなくなりますが、痛みはほとんど感じません。
軽い打撲や指をはじく動作、ポケットに指を入れ損なったりなど、ちょっとした突き指で受傷することがほとんどです。
骨性マレット指
バレーボールやバスケットボールなど、スポーツ外傷でしばしば起こります。腱性マレットと異なり、骨折ですので痛みを伴いますが、ある程度は自力で伸ばすことができます。
マレット指の治療
腱性マレット指
バネ式固定用装具やマレッター等の外固定具による保存療法が基本です。ただし、受傷から時間が経ってしまった陳旧例では、腱の自然治癒が困難となるため、手術による腱形成が必要になる場合もあります。
骨性マレット指
放置すると関節の脱臼を起こしてしまうため、手術による整復固定が原則です。皮膚の上から細い鋼線を2~3本刺すだけで、切開することなく行う手術が一般的です。指だけの局所麻酔で短時間に終わるため、身体への負担が少なくて済みます。
マレット骨折
マレット骨折術後