TFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷

TFCC(三角繊維軟骨複合体)とは

TFCCとは二つの前腕骨(橈骨と尺骨)で作る関節(遠位橈尺関節)を安定化させている支持組織です。

遠位橈尺関節は手関節に隣接して存在し、肘関節に隣接する近位橈尺関節と共に前腕の回内外運動を行います。

TFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷の症状

ドアノブを廻すような動作や自動車のハンドル操作など、手を尺側(小指側)に傾け、捻る動作を加えると、手関節の尺側に痛みを生じます。

TFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷の原因

捻挫などの外傷や、慢性的に繰り返されるストレス、加齢による変性などが原因となります。

尺骨突き上げ症候群もTFCC損傷を来すことがあります。

尺骨突き上げ症候群

前腕(肘から手)には橈骨と尺骨の2本の骨があります。

橈骨に比べ尺骨が長いことにより手関節尺側に疼痛が生じた場合、尺骨突き上げ症候群と呼びます。

長さのバランスは手関節の単純レントゲン写真前後像において評価します。

TFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷の診断

入念な理学所見が基本です。

手関節部の腱鞘炎や尺骨突き上げ症候群との鑑別が難しい場合も多く、MRI検査や関節造影検査などの画像診断が必要です。

TFCC(三角繊維軟骨複合体)損傷の治療

保存的療法では専用のサポーターを用いて患部の安静を図ります。疼痛が強い場合は水溶性のステロイドを関節内に注射することもあります。

症状が改善されない場合は手術治療を考慮します。損傷の程度やパターンにより、術式を選択します。

新鮮例では鏡視下・直視下縫合術、陳旧例では再建術、尺骨突き上げ症候群による場合は尺骨短縮術、を行います。

 

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